「STDEV.S」と「STDEV」は、ExcelやGoogle Sheetsなどのスプレッドシートで使える統計関数です。これらの関数は、標本の標準偏差を計算するために使われます。

「STDEV.S」は、標本の標準偏差を計算する際に、標本全体のデータを使用する「母集団標準偏差」を返します。「STDEV.S」の関数式は次のようになります。

STDEV.S(range)
「range」には、計算したいデータの範囲を指定します。例えば、A1からA10までのデータを使用して標準偏差を計算する場合は、「STDEV.S(A1:A10)」という式を使用します。

「STDEV」は、「STDEV.S」と同じように標本の標準偏差を計算する関数ですが、「STDEV.S」と異なり、「標本標準偏差」を返します。

「STDEV」の関数式は次のようになります。

STDEV(range)
「range」には、計算したいデータの範囲を指定します。例えば、A1からA10までのデータを使用して標準偏差を計算する場合は、「STDEV(A1:A10)」という式を使用します。

「STDEV.S」や「STDEV」を使用することで、標本の標準偏差を計算することができます。これらの関数は、欠損値や無効な値を含むデータを使用することができますが、欠損値や無効な値を含むデータを使用する場合、正しい結果を得ることができません。

「STDEV.S」や「STDEV」を使用する場合、計算対象とするデータがある程度多いことが必要です。標本のデータ数が少ない場合、「STDEV.S」や「STDEV」で計算される標準偏差値は不安定になる可能性があります。

また、「STDEV.S」や「STDEV」を使用する場合は、標本データが正規分布に従っていることが前提となります。正規分布に従っていないデータを使用した場合、正しい結果を得ることができません。

標本データが正規分布に従っているかどうかを判定するには、「正規性の検定」を行うことができます。正規性の検定には、「Shapiro-Wilk検定」や「Kolmogorov-Smirnov検定」などがあります。正規性の検定を行うことで、標本データが正規分布に従っているかどうかを確認することができます。

「STDEV.S」と「STDEV」は、標本の標準偏差を計算するために使用される統計関数です。これらの関数を使用することで、標本のデータから標準偏差を求めることができます。しかし、標本のデータ数が少ない場合や、標本データが正規分布に従っていない場合は、「STDEV.S」や「STDEV」で計算される標準偏差値は不安定になる可能性があります。