「LINEST」は、2 つのデータセットの間の線形回帰直線の係数と切片を求める関数です。

具体的には、2 つのデータセットの間にフィットする直線の式 y = ax + b を考えます。このとき、「LINEST」関数は、この直線の係数 a と切片 b を求めることができます。

使い方は、次のようになります。

LINEST(known_y's, [known_x's], [const], [stats])
「known_y’s」は、y 軸方向のデータセットを表す引数です。「known_x’s」は、x 軸方向のデータセットを表す引数です。この 2 つの引数は、同じ個数のデータポイントを表す必要があります。

「const」は、オプションの引数で、直線の切片を求めるかどうかを指定します。「TRUE」を指定すると、切片を求めることができます。「FALSE」を指定すると、切片を求めないことになります。「const」を省略すると、デフォルトでは「FALSE」が指定されます。

「stats」は、オプションの引数で、回帰分析の統計情報を返すかどうかを指定します。「TRUE」を指定すると、回帰分析の統計情報を返すことができます。「FALSE」を指定すると、回帰分析の統計情報を返さないことになります。「stats」を省略すると、デフォルトでは「FALSE」が指定されます。

例えば、次のように使用すると、y = 2x + 1 の直線の係数と切片を求めることができます。

=LINEST(A1:A10, B1:B10, TRUE, FALSE)
この例では、セル A1 から A10 には y 軸方向のデータセットが、セル B1 から B10 には x 軸方向のデータセットが入力されているものとします。また、「const」引数に「TRUE」が指定されているため、切片も求められます。

「LINEST」関数は、求められた係数と切片を返すとともに、回帰分析の統計情報を返すことができます。統計情報は、次のようなものがあります。

  • 回帰係数
  • 回帰係数の標準誤差
  • 回帰係数の t 値
  • 回帰係数の p 値
  • 回帰平方和
  • 残差平方和
  • F 値
  • p 値

回帰分析の統計情報を返すには、「stats」引数に「TRUE」を指定します。例えば、次のようにすると、回帰分析の統計情報を返すことができます。

=LINEST(A1:A10, B1:B10, TRUE, TRUE)
「LINEST」関数は、結果を配列として返すため、複数のセルに結果を出力する場合は、結果を参照するセル範囲を指定する必要があります。例えば、次のようにすると、係数を C1、切片を C2 に出力することができます。

C1:C2 =LINEST(A1:A10, B1:B10, TRUE, FALSE)
また、「LINEST」関数は、x 軸方向のデータセットを省略することができます。このとき、x 軸方向のデータセットは、1, 2, 3, … として扱われます。例えば、次のようにすると、y 軸方向のデータセットと y 軸方向のデータセットのインデックス番号の間の直線の係数と切片を求めることができます。

=LINEST(A1:A10, TRUE, FALSE)
この例では、セル A1 から A10 には y 軸方向のデータセットが入力されているものとします。「const」引数に「TRUE」が指定されているため、切片も求められます。

「LINEST」関数を使用すると、2 つのデータセットの間の直線の式を求めることができます。この直線の式を使用することで、新しいデータに対する予測値を求めることができます。例えば、求められた係数が a、切片が b の場合、新しいデータ x の y 値を求めるには、次の式を使用することができます。

y = a * x + b
「LINEST」関数は、大量のデータを処理することができるため、データ分析に便利な関数です。