「T.DIST」は、Excel および Google スプレッドシートで使用される統計関数です。「T.DIST」は、スチューデントt分布を扱うために使われます。スチューデントの t 分布は、平均値が未知で、標本サイズが小さい場合に使われる確率分布です。

「T.DIST」関数は、指定した x 値におけるスチューデントt分布の累積密度を返します。これにより、ある x 値が所定の範囲内にある確率を求めることができます。

「T.DIST」関数の書式は次のようになります。

=T.DIST(x, degrees of freedom, cumulative)

ここで、x はテストされる値です。degrees of freedom は自由度を示します。cumulative を「TRUE」にすると、累積密度を返します。「FALSE」にすると、個別の確率密度を返します。

例えば、以下のように使用します。

=T.DIST(2, 10, TRUE)

この例では、自由度が 10 のスチューデントt分布の累積密度を、x 値が 2 の場合に計算します。

「T.DIST」と「T.DIST.RT」のちがい

「T.DIST」関数と「T.DIST.RT」関数は、お互いに逆の関係を持ちます。「T.DIST」関数は、x 値から確率を求めることができますが、「T.DIST.RT」関数は、確率から x 値を求めることができます。

「T.DIST」関数は、スチューデントT分布の累積密度を計算するために使用されます。「T.DIST」関数の書式は、次のようになります。

=T.DIST(x, degrees of freedom, cumulative)

ここで、x はテストされる値です。degrees of freedom は自由度を示します。cumulative を「TRUE」にすると、累積密度を返します。「FALSE」にすると、個別の確率密度を返します。

一方、「T.DIST.RT」関数は、スチューデントT分布における値を指定した確率に変換するために使用されます。「T.DIST.RT」関数の書式は、次のようになります。

=T.DIST.RT(probability, degrees of freedom)

ここで、probability は確率を示す数値です。degrees of freedom は自由度を示します。

T.DISTとTDIST 違い

「T.DIST」関数と「TDIST」関数は、お互いに同じ目的で使用されます。つまり、スチューデントT分布の累積密度を計算するために使われます。

ただし、「T.DIST」関数では、「cumulative」引数を使用して、累積密度を返すか、個別の確率密度を返すかを選択することができます。一方、「TDIST」関数では、「tails」引数を使用して、正か負かにかかわらず、累積密度を計算するか、正の場合の累積密度を計算するか、負の場合の累積密度を計算するかを選択することができます。

「T.DIST」関数は、スチューデントT分布の累積密度を計算するために使用されます。「T.DIST」関数の書式は、次のようになります。

=T.DIST(x, degrees of freedom, cumulative)

ここで、x はテストされる値です。degrees of freedom は自由度を示します。cumulative を「TRUE」にすると、累積密度を返します。「FALSE」にすると、個別の確率密度を返します。

一方、「TDIST」関数は、スチューデントT分布の累積密度を計算するために使用されます。「TDIST」関数の書式は、次のようになります。

=TDIST(x, degrees of freedom, tails)

ここで、x はテストされる値です。degrees of freedom は自由度を示します。tails は、テストされる値が正か負かを示します。tails を 2 にすると、正か負かにかかわらず、累積密度を計算します。tails を 1 にすると、正の場合の累積密度を計算します。tails を 0 にすると、負の場合の累積密度を計算します。

 

スチューデント分布とは

T分布は、統計学において使われる分布の一種です。T分布は、「スチューデント分布」とも呼ばれます。これは、1908年にWilliam Sealy Gossetが、英国の牧草会社Guinness Brewery(現在はDiageo)で働いていたときに、統計的検定のために発見した分布です。Gossetは、当時の彼の職場では、科学的手法を用いた研究を行うことができず、そのために彼は匿名で論文を出版しました。その論文は、当時から「Student’s t-distribution」と呼ばれており、それから「T分布」と呼ばれるようになりました。

T分布は、標本サイズが小さい場合に使われる分布です。標本サイズとは、統計分析で使われるデータの数を指します。T分布は、標本サイズが大きい場合には正規分布に近づくことが知られており、標本サイズが大きい場合には正規分布を使うことが一般的です。

T分布は、平均値や分散などのサンプル統計量の推定に用いられることがあります。T分布を用いることで、標本サイズが小さい場合でも、統計的検定を行うことができるようになります。T分布は、統計的仮説検定や推定において非常に重要な役割を果たしており、現在でも幅広く使われています。